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着物レンタルを始めて1年。リアルな感想いろいろ


 昨年8月、たった2着の着物からレンタルをスタートしたミチクサスタジオ。


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 こども衣装作家として活動する私が、生地の仕入れから製作〜宣伝〜予約管理〜配送手配に至るまでひとりで行ないながら、1年以上経った今!


 様々な側面から感想を述べてみたいと思います。


事件発生!大変だったアレコレ

最初に書くか!?といった感じですが笑

そんなこともあったのか・・・という裏話㊙️



❶ やはり汚れはある。


 お客さまが気をつけて着てくださっているおかげで今もレンタルが継続できています。本当に感謝しております。

 その上で「汚れは全くない」とは言えません。着物のケアに一際時間をかけているのも事実🧼



 一番多いのは裾の泥汚れ、口紅の付着やお化粧のラメも多いです。生地を引っ掛けた際にできる糸引きもあります。川に入った?!と思われるような激しい泥汚れもありました。

 

愛用アイテム。
愛用アイテム。

 シミ抜きアイテムは複数取り揃えていますが、事前に撥水ガード加工剤などをかけておくことで予防対策もしています。それから、正絹は仕立てる前に必ずシルク用洗剤で洗って収縮率を見ており、あまりにも縮みやすい生地ではまず仕立てません。(重要)

 

 汚れは時間との勝負。近所のクリーニング屋さんとも連携をとりながらこれまでも乗り切ってきました。




最大のやらかしは まさかの自分


 裏地にレーヨンを使ってる被布にアルコールを含むを消臭剤を吹きかけたところ、まさかの変色

ピンクの裏地に輪ジミができてしまったのです・・・ レーヨンはアルコールに弱いのでした。これはもうどうしようもないが、明日発送せねばならない。


写真より実物はかなり目立つ輪ジミ。
写真より実物はかなり目立つ輪ジミ。

 

 生地は余分に買ってある、、今から作るしかない!と5~6時間で被布を作りました。

この時の集中力は凄まじいものでした。


 これが一番の大事件だったが、事なきを得ました。


生地を余分に買っておいてよかった。
生地を余分に買っておいてよかった。


❷ 集荷がされていなかった!


 いつも通り集荷依頼をした後この日は泊まりでお出かけをしました。次の日帰宅するといつもの場所にまだ置いてあるのです。つまり集荷されていないのです。なんということでしょう。

 よりによって送り先は長崎県。配送に2日かかる地域。


  でも2日前到着設定にしているので、ご利用1日前にはなんとか届く…その旨をお客様にお電話をし丁重にお詫びしたところ、なんとお客様がご利用日を前日にズラしていました。つまり到着が当日・・・・!


私は焦り狂いました。 なんとしても当日の朝には間に合わせなければならない。お客さまと運送会社さんと1日中連絡を取り合い、なんとか当日の朝8:00営業所にてお受け取りをしていただけました。


 その節は大変ご迷惑をお掛けしました。後からかわいいお子様のお写真と感想も送っていただけて、心からホッとしました。


 これをキッカケに3日前に発送手配をするように変更。事前準備はそれよりも前に終わらせるよう見直しました。常に緊張感を持って、間違いなきよう配送しています🫡



嬉しかったこと

 大変なこともありますが、それを上回る良いことの方がたくさんあります!!ハッピーターン!



❶ お客様が写真を送ってくださる


 魂込めて作った着物です。実際にご予約をいただき着てもらえることが何より嬉しい。それだけでも嬉しいのに、着用写真を送ってくださる方がとても多い!!!


 そのご厚意に甘えて投稿やHPでもそのお写真を使わせていただいたり。

その写真を見て、また次のお客様へと繋がることも多く本当に感謝しています。


かわいいふたごちゃん
かわいいふたごちゃん

❷ 返却着物と一緒にお手紙が入っている


 着用した次の日には返送手続きをしなければならないのに、お手紙まで書いてくださるなんて…なんというお心遣い。私もそんな人間になりたいです。DMやメールでもご感想をいただくことも多く、それも嬉しくて「よかった、ちゃんと満足してもらえたんだ!」と思えます。


 貴重な手書きのお手紙は、宝物なのでレンタルチェックリストの端に書いてある走り書きでさえ切り取ってノートに貼ってコレクションしています。先日はお子様が描いてくれた絵が同封されており、しあわせな気持ちになりました。


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❸ 売り上げが増えた


 個人事業を始めて3年目。最初からレンタルを始められたわけではありません。散々道草食ってきました。これまで培った技術を持ってして独立したものの、何を作ればいいんだ?何を売ればいいんだ?と迷いがあり、頼まれたらなんでもやるスタンスでした。頼んでくれる方は沢山いました。

 でも正直依頼の仕事は下請けなので高い金額はいただけず、二束三文でした。


 私が作ったものを

 依頼主が倍以上の金額で誰かに売る。


 私が作ったもので

 依頼主が何かの商売をする。


 ビジネスを自分でやっていきたいと思った時に、受けてばかりではダメだ、これでは先に進めないと思い、受けるのを辞めました。

 貧乏覚悟で全部の取引を断ちました。自分の収入がない時期が2ヶ月ありました。それでもどうにか自分が窓口に立たねばならない。自分で勝負しなければならない。そう思いました。


 その背景には、人だと思われていないのか?寝るなと言ってるのか?と思うほどの短納期、製作期間に対してあまりに安すぎる金額がありました。しょっちゅう泣いていました。

 その悔しい想いがバネとなり、行動に拍車をかけます。


 私が作ったもので

 お客様に直接喜んでもらえる。


 このかたちにようやく辿り着けました。今はまだ10着しかない小規模なレンタル店ですが、遊び心と真心を忘れず「心」ある商いをしていきたいと思っています。


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着物を仕立てる時に工夫していること

 これまたちょっと違う方向性ですが、1年を通して仕立て方にも工夫が生まれていったので書き残してみます。


❶ 昔ながらの形にこだわる


 最近は、二部式着物(セパレート着物)やワンピースのように後ろファスナーで着られる着物もある中で "本格仕立てのいわゆる通常の着物" を作っています。


理由はただひとつ。フォロワーさんに向けてどの形状がよいかアンケートを取った時に65%の方が通常の着物がよいと回答したからです。


その当時のアンケート。
その当時のアンケート。


❷ 軽い!シワになりにくい!を目指している


 柄選びがとにかく重要な着物ではあるけれど、可愛いけど重い…可愛いけどシワになりやすい…という生地は沢山あります。お子様が着るの嫌がらないために、軽いと感じる生地を選び、座り込んでもシワになりにくい生地を選ぶようにしています。


新作の金木犀
新作の金木犀



❸ 褄下を長めにとる


 これは私が独自にやってることなのですが、衿先から裾にかけての長さ(褄下:和裁用語)を多くの教本に載っている平均寸法より長めにとっています。着丈も通常より長いです。


 理由は、対応身長を少しでも多くする為。どうしても4歳近くの身長100cm近くのお子さまが着ると衿先が被布の裾から飛び出てしまいます。それがいい悪いではなくて、ひとりでも多くのお子さまにかわいく着てもらいたいので密かに改善を試みました。


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今後のミチクサスタジオ

 まだまだ衣装を作りたい気持ちでいっぱい!


 5歳袴、7歳着物、ドレスやスーツにいたるまで自分が手がけたものでラインナップを揃えたい。


 組織化したいとか店舗を持ちたいとか大それた目標は今のところはなくて、地道にコツコツ作っては発表していくことを継続してやっていきたいです。


 その上で更なる高みを目指すには、他の分野のプロとコラボだと考えています。例えば、大好きなイラストレーターさんにテキスタイルの絵を描いてもらってその生地で衣装を作るとかやってみたいなぁ。




 大変久しぶりのブログとなってしまいましたが、読んでくださりありがとうございます。

寒くなってきたので半袖で寝ないようにお気をつけて🍂


MICHIKUSA STUDIOS

道草みく

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